『文明が進むほど天災による損害の程度も累進する』

『文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向がある』<2018年6月19日(火)>
 寺田寅彦の指摘は身にしみてくると、『春秋』(180619)は大阪府北部の地震被害が明らかになると言う。「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向がある」。そして、「難題なのは天災の被害を忘れ去りがちなのも人間ということだ。寺田はそれを嘆いた。『地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、頑固に、保守的に執念深くやって来るのである』・・・列島に宿命づけられた災害と向き合い、恐れず油断せず、減災に知恵を集めて、実践へと移したいものだ」。
 (JN) 地震の強さや被害は予測できないが、それでも私たちの知恵で、様々な対策が考えられ、それに従うことで私たちは自分を守って来た。逆に言えば、その通りにしていないと、災害から身を守れない可能性が高くなる。これはわかっていることである。なのになぜ、安全対策が守られないのか。未来より今、経費削減、早い完成を要求される当事者は、安全より大事なものが生じてしまう。この問題点を改善しない限り、犠牲者は出る。このことを理解し、安全点検をせねばならない。この安全点検も、基準を持たした建造物であれば、隠れたところで手を抜かれると、その確認に多くの経費が掛かる。安物買いは損をする。損するだけなら良いが、命を失っては堪らない。