『本は読む場所によって表情を変える』

『本は読む場所によって表情を変える』<2017年7月10日(月)>
 書評家の岡崎武志さんは「断言していいが、本は読む場所によって表情を変える」と言う。『天声人語』(170710)は読書の楽しみ方を考える。「読みかけの本でも見知らぬ土地で開くと、新鮮な感じがしてくる。読書週間は秋だが、夏も本に親しむのにふさわしいと感じるのはなぜだろう。いまはこの世にいない著者たちの思索や魂に触れる。そんな読書は、ひと夏の間に一皮も二皮もむけたような気にさせてくれる。夏本番が近い。旅行を計画しているなら、お供の数冊を少し時間をかけて選びたい。」
 (JN) 私には本と心が通じていないようで、どこで読んでも、本の表情を感じない。でも、こちらの心の表情は変わっていく。通勤列車や机上で読む本と、旅中での読書では、かなり楽しみ方が違ってくる。でも、旅の列車では本はそれほど進まない。車窓の力が勝ることが多い。言葉も魅力だ。異国に来ているぐらいに感ずることもあり、本を閉じて翻訳を試みる。旅先に着けば、古本屋を探す。大学の近くであると、面白いものがあたっりする。出会いにも楽しみがあった。また、遠くに行かなくとも、ふらりと列車に乗って、休日日帰りの一人旅も良い。そんな楽しみを最近忘れていた。一冊を楽しむ時間をいろいろと作ろう。