『本の扉、それは自分の手で開こうとしなければ開かない扉だ』

『本の扉、それは自分の手で開こうとしなければ開かない扉だ』<2017年2月25日(土)>
 「『夢の本屋ガイド』(朝日出版社)によると、そこには『本屋の奥の秘密の本屋』があるらしい」と「筆洗」(170225)はそんな世界を考える。「いったん入れば、馥郁とした時間が待っている。客は常連ばかりで店員は好みを熟知しているから、まるで『自分のためにつくられた特別な本屋』にいるような気持ちにひたれるという。しかし考えてみれば、本そのものにも『秘密の扉』はある。何年も積ん読にしたままだった本が突然、扉を開けて招き入れてくれるような瞬間がある。何度も読み返してきた本に『奥の秘密の部屋』を見いだすような瞬間もある。だが、それは自分の手で開こうとしなければ開かない扉だろう。」
 (JN) 本の中へ入り込むことは難儀である。というより、勇気がいる。選ぶことから始まり、それを持ち出し開くまで、沢山の候補の中から選び出す。そこまで行くのが大変である。日々、さ迷う空間。机上の積読、本棚への再読の試み、図書館のお好み棚、ネットのおすすめ、本屋さん・・・・。いざ1冊手にしても、ところが今度はその扉を開き、その中へ入ろうとしてもなかなか入り込めない。では他の本、・・・・。読みかけだらけというか、読もうという本がまた積読になる。この本の扉を開くのは難儀であるが、何とかやっと入り込んでも、険しい道が待っている。また、時間を忘れさせる魔力にとりつかれる。この異次元の世界を楽に味わう方法はないものか。