『社会は若者に早く大人になってほしいのである』

<2017年1月9日(月)>
『社会は若者に早く大人になってほしいのである』
 成人の日を迎え、各紙若者に訴える。「筆洗」は、アンパンマンの歌を出し、「<なんのために生まれて なにをして生きるのか><こたえられないなんて そんなのはいやだ>。大人といえども、その明確な答えは分からない。成人の日とは、その答えを探す出発点かもしれぬ。成人の日、おめでとう。ようこそ大人への旅路へ」と。
 「余禄」は、大槌町で2年前に詩人の吉野弘さんの「生命は」が朗読された事を紹介する。「『生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい 花も めしべとおしべが揃っているだけでは 不充分で 虫や風が訪れて めしべとおしべを仲立ちする−−』。人に支えられ、また人を支えながら生きている。そう気づくことが大人になっていくことかもしれない。」
 「春秋」は、仏作家サン・テグジュペリから思う。「『大人ってほんとにへんだ』。童話の登場人物は、政治家も実業家も危機が見えない。どっちつかずで、打算的だ。そうした大人が戦争の厄災を招いた。『18歳以上選挙権』の導入で、成人年齢を下げる動きもでてきた。社会は若者に早く大人になってほしいのである。作家は何が大切か分かる大人になってほしいと子供たちに希望を託した。困難が近づいても、そんな人々が増えてくれば未来は暗くない。
 (JN) 成人の日は、40年以上前に体験した。あの時、何を考えていたであろうか。大学2年生の冬、久しぶりに会う中学校の仲間たちと将来を語り合ったであろうか。国の行く末を論じあったであろうか。その時はどうであったか忘れてしまった。ということは、悩まず大人の世界に入り込んでしまったのであろう。御蔭で、大人になってからずっと悩んでいる。未だに軸の定まらない準高齢者予備軍である。やはり、若い時に考え、議論せねばならない。若い時に大いに悩み、甘い言葉に右往左往しない市民となって欲しい。