『アベノミクスには時間がない。金融・財政政策・・・』

アベノミクスには時間がない。金融・財政政策は手詰まり感が強まっている』

 第3次安倍内閣の新陳代謝不足ではないか、メタボリック症候群に陥っていないか。「春秋」(日経/16/8/4)は漱石が科学好きである話から新陳代謝に展開し、安倍内閣の行く末を心配する。「安倍再改造内閣、留任も多く、刷新とは遠いようだ。漱石は『野分』の中で青年に向け、『追々新陳代謝してくる』から焦るな、と書いた。だが、アベノミクスには時間がない。金融・財政政策は手詰まり感が強まっている。よほど改革を急がなければ、経済が動脈硬化を起こし、デフレ脱却も遠ざかる」と。

 正常な身体であれば新陳代謝により、身体の健康は保たれる。身体が成長期であれば、身体機能も高まる。しかし、それには限界があり、新陳代謝は退化し、生成発展は没落へと向かう。これは組織も同様である。では、脳みそだけ残し、特にお腹のメタボリック部分だけ何とかすれば良いということでもない。脳みそがしっかりしていなければならない。組織の健康を維持するためには、そのリーダーが組織体の新陳代謝を活発にさせるために頭脳を働かすことが肝心だ。内閣が何をすべきか、それによって構成員が定まるのであろう。今回の組閣がどうなのか。どこかに腫瘍が隠れていないことを祈る。(JN)