『「山を川を海をきれいにしておく」。自然とそこでの暮らしが子孫に

『「山を川を海をきれいにしておく」。自然とそこでの暮らしが子孫に手渡すべき祖先からの預かり物だったことにあらためて胸を突かれたこの5年間である。』
 「5年を費やしてなお1合目といわれる廃炉。揺れ動く除染や廃棄物の処理方針」、「余録」(毎日新聞/2016/3/10)は語る。「移住か帰還かの苦しい選択を通した暮らしや地域の再建。どれも砕け散った時空の破片を一つ一つつなぎ合わせるような試行錯誤や地道な努力が求められる回復への長い道のりである。今日の列島住民すべてが自らに問わねばならない『あとからくる者のために』である。失われた時空の回復を新しい価値の創造へと結びつける『詩』も、今度は私たち自身が残さねばならない。『あとからくる者のために/山を川を海を/きれいにしておくのだ/あああとからくる者のために/みなそれぞれの力を傾けるのだ……』」。
 あとから来る者が何とかしてくれるだろう。嫌なことは、四季が移り変わりで忘れてしまうだろう。少々の汚れは水に流してしまおう。借金を未来にして、今を乗り切ろう。科学が発展し、今難しいことをあとから来る者が何とかしてくれるであろう。日本は、未来に希望を持っていないのに、未来に期待をしているのではないか。でも、未来に期待するためには、今を何とかしなければならない。放射能汚染は放置が一番なのだろうか。こういったことに対応することなく、今後も原発を動かそうと考えるのか。(JN)