『中国は、史実無視のタテマエを誇示して、実態は見せない』
「抗日戦争勝利70周年」、日経「春秋」(2015/9/3付)は、中国の「軍事行進の前宣伝や関連行事は、いかにも芝居がかっている」と、それは毛沢東の京劇好きから展開している。「毛沢東は、日中戦争で、この伝統演劇の宣伝効果に注目して兵士を鼓舞した。とりわけ、『水滸伝』をもとにした演目が気に入っていた。横暴な日本人に対して群衆が武器を手に立ち上がるといった設定の改作が盛んに上演された。中国文学者の加藤徹さんの著書『京劇』によると、京劇では善玉と悪玉をきびしく分ける。歴史上の人物も善悪で分ける。単純明快でないといけない。近現代史で最大の悪玉は日本人が演じる。今日実施する「抗日戦争勝利70周年」の軍事行進の前宣伝や関連行事は、いかにも芝居がかっている。史実無視のタテマエを誇示して、実態は見せない。株価下落などで各国が不安を募らせるのもこの不透明さだ。いつまでも続けているようでは、世界の舞台には立てない。」
戦争に勝者はない。敗者だけかもしれない。形式上は勝者も敗者もあるし、確かに敗者が負けを認めて停戦になっている。しかし、この第２次世界大戦の勝者はいったい誰だったのか。米国は、この独り勝ちを維持するために、どれだけの犠牲を出したのであろうか。歴史上は勝者である中国や韓国が、その後の独立から内戦が続き、未だに国内には矛盾を抱えたままである。悪玉日本は、あの敗戦から高度成長を続けてここまできた。善玉になりたいし、戦争を忘れたいが未だに悪玉だ。でも、それは政府の問題であり、国民には悪玉も善玉もないはずだ。どこも、国民不在の政治が続くのである。このことを私たちは考えねばならない。（ＪＮ）
