思い立ったらさっと乗れる新幹線に、テロの恐怖が潜む現実

思い立ったらさっと乗れる新幹線に、テロの恐怖が潜む現実
 昨日の東海道新幹線内での自殺行動、日経「春秋」(2015/7/1付)は、新幹線について、「それでも徹底した安全を求めるべきか、便利さ手軽さとの兼ね合いをどう取るか」と問うている。
 「新幹線で行くか飛行機にするか。交通業界の常識では、旅客がその基準とするのは「4時間」だという。速度で劣る鉄道も、4時間までなら飛行機に勝てる。駅が近いうえ、乗る前の「面倒」も少ないからだ。飛行機では、昨今はチェックが厳しくなり、うっかりすると出発便を逃しかねない。そこへいくと鉄道はラクなのだが、じつは危険と隣り合わせでもあるとあらためて知る。きのう東海道新幹線の車内で男が焼身自殺に及び、近くにいた乗客の女性も亡くなった事件は衝撃的だ。思い立ったらさっと乗れる新幹線に、テロの恐怖が潜む現実も浮かび上がる。徹底した安全を求めるべきか、便利さ手軽さとの兼ね合いをどう取るか。新幹線半世紀の歴史を汚した所業を前にして、いま残念ながら「面倒」のあり方と向き合うほかない。」
 これは、新幹線だけの問題ではない。赤の他人と乗る電車やバスだって危険である。これが、ぎゅうぎゅう詰めの列車の中で起きていたら、どうなってしまうのか。お互いの信用で成り立っているこの社会である。もし、安全を様々な方法で守らねばならなくなったら、公共の交通機関は、時間はかかるし経費はかかるし、存続できなくなる。世の中は、自家用車が多くなり、道路がどうなるのか。日本経済に大きな影響があろう。では、対策をどうするのか。危険を予め察知するために、どんな方法を行えるのか、新たな技術革命となるかもしれない。新たな課題に挑戦である。