無着成恭さんや永六輔さんらによる名回答に珍回答

無着成恭さんや永六輔さんらによる名回答に珍回答
(日経「春秋」2015/3/22付) ダイヤル、ダイヤル、まわして――。TBSラジオ「全国こども電話相談室」、半世紀以上放送されてきた長寿番組が、今月で幕を下ろすことになった。無邪気だったり、哲学的だったりする子どもたちの質問。そして、無着成恭さんや永六輔さんらによる名回答に珍回答。「宇宙人は何を食べるの?」と聞かれ、無着さんが「宇宙食かな」と応じた愉快なエピソードも残る。生放送の手作り感にあふれていた。我が家でも息子が幼いころに質問を寄せた。採用されないまま放送時間は終了したが、驚いたのは、その1時間後。質問をくれた子どもたち全員に回答していたのだ。こんな誠実さも人気の秘密だったのだろう。「どうして終わっちゃうの」と、率直な質問が口をついて出る。番組終了を発表した際の局側の説明は、「現代の小中学生は電話で相談するよりもパソコンやスマートフォンで調べることに慣れている」だった。確かにあたりを見渡したところで、もうまわせるダイヤルなどないのだけれど……。
(JN) 「全国こども電話相談室」も、来週で終了。どんなものにも終わりはあるが、残念である。スポンサーがもうつかないのであろうか。この番組は、子どものためにあるのではない。局側の説明は、電話よりもパソコンやスマートフォンで調べることとしているが、そのような子どもたちのためだけでなく、私たち大人にとっても大事な番組である。番組自体も、じゃんじゃん電話が鳴る中での応答ではなくなったが、それでも現在の子ども事情を一部でも垣間見ることができる。主に質問はメールであり、スタジオの子どもたちも問題を考える。これが大事だ。相談者、一人でも助けになるなら、TBSは番組を続けるべきと考える。みなさん、3月29日(日)の朝9時、ラジオを954に合わせてみよう。そこで、子どもたちの声を聴いてみよう。半年後にでも、また違った形でも再開してほしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO84697820S5A320C1MM8000/