「爆買い」、日本だって同じような道をたどってきた

「爆買い」、日本だって同じような道をたどってきた
(日経「春秋」2015/3/6付) バブル景気まっただ中のころ。出張の折にたまたま立ち寄ったパリ市内の高級ブランド店で、日本の国会議員が色とりどりのスカーフがずらりと並んだ売り場で両手を広げ、「え〜と、ここからここまでね」。応対していた店の女性が、奥のレジにいる同僚と目をあわせたときに浮かべた表情が忘れられない。また、日本の女子大生やOLの姿が、海外で驚きとともに報じられたりもしていた。バブルの時代を思い出したのは、大手百貨店が今週発表した2月の売上高の記事を読んだからだ。旧正月春節」の休暇で日本を訪れた中国人観光客のおかげで、多くの店舗が売り上げを大きく伸ばした。あまりの「爆買い」ぶりに眉をひそめる向きもあろうが、なに、日本だって同じような道をたどってきたわけである。きのう北京で始まった全国人民代表大会で、中国の首相は実質経済成長率の目標を引き下げると表明した。爆買いはいまがピークかもしれないが、帰国した観光客は日本での楽しかった思い出を、隣近所に語っているのではないだろうか。それは日本にとって、百貨店の売り上げを伸ばしてくれる以上の大きな利益になる。
(JN) 口コミは恐ろしい。良い方ではなく、悪い評判は、忽ち広がる。「爆買い」の内は、細やかなサービスはそれほど評価対象ではないかもしれないが、どんな客層であろうとも丁寧に扱わないと、後で影響が出てくる。金にもを言わせてと、軽く見てはならない。今後続く大事なお客様だ。また、日本製とか、ブランドとかいったものに頼るのではなく、後悔しない買い物であるようにしないと、相手もいつまでも財布が豊かではないし、また品定めの目は豊かになって行く。とにかく、品物は買う人がいなければ売れないのだが、その相手は、諸外国でも良いのであろうか。もっと日本人の購買力を高める政策をお願いしたい。頼れるのはやはり自分たち出し、貧乏してものを売っても、それは悲しいのではないか。ただ大企業が拡大成長するのではなく、もう海外での爆買いをしないにしても、日本人が日本での消費を向上させる方策を期待したい。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO84031540W5A300C1MM8000/