早ければ来年の参院選から「未成年」が一票を投じる

(日経「春秋」2015/1/12付) 「未成年」という言葉には、どこか危なげな若者のイメージがある。そんな難しい年ごろだけに選挙権などまだお預け、というのがニッポンの常識だった。それがいま、劇的に変わろうとしている。こんどの通常国会に、選挙権年齢を18歳に引き下げる公職選挙法の改正案が提出され、成立しそうなのだ。早ければ来年の参院選から「未成年」が一票を投じることになる。国際標準はとうに18歳だ。この世代に選挙権まで与えながらなお「未成年」とはチグハグではある。関連する法律が多く、あまりに厄介だからと先送りしてきた民法改正を本気で考えるときだろう。20歳をもって成人とする絶対的な理由はどこにもない。変えてみたら意外と頼もしい「未成年」だと世間が気づけばいい。もっともそのためには、まずは選挙権をしっかり行使して目にものを見せることだ。きょう成人式の先輩たちも、うかうかしてはいられない。
(JN) 選挙というより政治への意志を持ち備えるのは年齢ではない。20歳になろうと、30歳であろうと、否60歳であろうと、意志が無ければならない。逆に、18歳でも、15歳でも、確りした意志を持つ者があるのであるから、選挙権の範囲は広げるべきである。その意志は自然にできるものではなく、環境である。これについては、学校教育も大事であるが、それとともに、家庭や社会が真剣になるべきである。体制に飼いならさせることなく、自分たちで自分たちの人権を維持して行くための意志を持たせることを皆で考えて行くべきである。年齢が問題ではない。選挙権は未成年にあってもおかしくない。また、成人やはり年れで統一的に定めることはいかがなものか。成人、二十歳という区切りで全てを扱うのではなく、それぞれ個々に適切な対応をすべきである。役所には厄介であろうが。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO81849560S5A110C1MM8000/