「地方創生」各自治体が持ち味を光らせることが大切

(日経「春秋」2014/12/29付) 柳田国男民俗学の研究に入っていったのは、30歳をすぎたころ。彼が訪れ、滞在経験が財産になった土地に、岩手県遠野地方と宮崎県椎葉村だ。民俗学の先駆者は地域による違いを興味深くとらえて、世の中に発信した。それぞれの地域に個性がある。政府が掲げる「地方創生」は、各自治体が持ち味を光らせることが大切になる。自分ではなかなか気がつかない場合もあるだろう。東京などの大学生や企業の社員と地元住民が交流し、地域を元気にするアイデアを出し合う。来訪者からは民家に泊まる「民泊」が古里のように安らげると好評で、これに力を入れることになった。柳田のような外の目が地域の魅力を引き出している。
(JN) 大学の資産を遊ばせておくことは勿体ない。暇とは言わないが、エネルギーいっぱいで、研究欲たくましい学者や学生が大学にはいっぱいいる。授業をするよりも、外へ出て行くことが好きである。国は、直接コンクリートや箱に行く資金を、人に使ってほしい。様々な個性が活き活きと主体的に地方創生ができる環境づくりを国だけでなく、様々な組織が行うべきである。日本の活力を戻すのは、時間もかかる。そのためにも、若手研究者や学生が長期にわたり交流し、財産を作り出す。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO81460480Z21C14A2MM8000/