中央頼みはもう続かないことに有権者も気づいている?

(日経「春秋」2014/12/7付) 米シアトルは、マイクロソフトの創業者が故郷、シアトル近郊に本社を移して30年余り、移転当時のシアトルは製造業の不振で失業率も高く、人口減と犯罪の多さに悩んでいた。今では高い技術を持つ労働者が増え、同じ学歴同士で比べても他の街より賃金が高い。投資家が集まり、ますます起業しやすくなる。ネット通販のアマゾン、コーヒーのスターバックスもシアトルのこうした環境から出発し、世界企業になった。こうした例が各地で増え、いまや「頭脳労働者が集積した街の高卒者の年収は、そうではない街の大卒者より高い」そうだ。衆院選が近づき、街角で候補者が政策を訴えている。補助金、公共事業、大手企業の工場誘致。そうした中央頼みはもう続かないことに有権者も気づいているのではないか。都会で地方暮らしへの関心が高まっている。特に若い世代では、のんびり志向の人よりベンチャー精神の持ち主が目立つ。うまく生かしていきたい。
(JN) 戦後の日本は、世界における地方として出発した。既存のもの(形のあるものないもの)の多くが米国により破壊され、ゼロからの出発であった。その時の国民の精神は、一つの方向を向いて、経済成長を進めてきた。それが、我々にとって幸せであったのかは、未来が考えることであろう。敗戦のくやしさのエネルギーと米国の力値の恐怖の中、とにかく私たちの生活状態は良くなった。そこには、凸凹があり様々な格差が生まれたが、日本全体が伸びているときは何とかごまかすことができた。いつまで、既存産業、東京、御上を中心の成長を望むのか。いつまで、日本は既存の価値観で生きのびて行けるのか。私たち個々人が良く考え、一つ一つ変えて行くべきだ。御上は変化を望まないから、私たちが変えるしかない。変えることにより、また苦しみは生じるが、それを今の私たちが受けて、未来のもののためにも進めなければならないであろう。一人一人の幸せを考え、既存のものに縛られないことにより、地方だけでなく首都圏も変えて行こう。投票まで、あと1週間である。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80610840X01C14A2MM8000/