保育所の子どもの声に対する近隣からの苦情が

(日経「春秋」2014/11/16付) 季節はずれになるが、「体験談」話では、コツが必要だという。いくつか役に立つアイテムがある。髪の毛、動く影、水の音、黒猫。そのなかで意外だったのが、「子どもの声」だ。真夜中、人けのないところで突然子どもの声を聞けば、ゾッとするかもしれない。では、「日中の住宅地に響き渡る子どもの歓声」はどう感じるだろうか。保育所の子どもの声に対する近隣からの苦情が、いま大きな問題になっている。少子化で子どもに接する機会が減ったため、耳慣れない子どもの声が騒音に聞こえる。そんな指摘もされている。町から1つまた1つと保育所や幼稚園が消え、どこからも子どもの声がしなくなる。そんな怪談はご免である。きょうは138年前、日本に初めて幼稚園ができたことを記念する「幼稚園の日」だそうだ。
(JN) 近年、普段の生活から子どもと接することが非常に少なくなった。朝の通勤時間は電車の中を我が物顔のランドセルがお腹にぶつかる。昼間の列車内は赤子とあやす母親の声が車内に伝わる。休日の公園はちびっこギャングの天国である。休日の夕方は帰りたくないという子どもの訴えが車内に響く。狭い日本、窮屈だが活き活きとしていた。それが本当に子どもが少なくなり、寂しい限りである。少なくなる子どもを何とか多くできないか。生まれた子供たちが活き活きと生きる環境を理解したい。保育所のご近所から、大人の都合で子供の声は迷惑とは悲しい限りである。日本は今後どうなるのか、我々の将来は老人しかない、その老人を養えるのは、金融資本ではない。それは、これから生まれる子供たちである。その環境を真剣に作る、その一歩が138年前の今日であったのである。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO79772070W4A111C1MM8000/