代表的なハーブであるラベンダーで意識を失ったりはしない

(日経「春秋」2014/7/16付) 1983年の映画「時をかける少女」、薄暗い実験室。倒れたフラスコの口から流れ出したラベンダーの香りを、主演の原田知世さんが吸って気を失い、倒れ込む。そこから不思議な物語が始まっていく。代表的なハーブであるラベンダーは、この映画で広く知られるようになったといわれる。もちろん実際には、においをかいだからといって意識を失ったりはしない。ただしハーブの名をかたり、不心得者が売り買いする脱法ハーブであれば話は別だ。吸った状態で車を運転して暴走し、他人を巻き込む事故が後を絶たない。加えて今度は、酒を飲んでの無謀な運転の続発である。車はとてつもないパワーを持った「走る凶器」に変貌する。脱法ハーブは言うに及ばず、運転することがわかっていながらあおる酒であれば、覚醒剤を使用しながらの運転と大きな違いはない。安易な行為が引き起こした結果をどれだけ悔いてみても、取り返しはつかない。
(JN) 酒を飲めば、時速4キロメートルの歩きでさえふらつき、怪我をしたり、他人に迷惑をかける。それが、その十倍以上のスピードで走る際に、事故の起きる可能性はどれだけ高まるのか。不思議な世界に入り込むような場合になれば、自動車運転自体が夢の世界に。それも、他人を死傷させ、自分は現実に戻る。「飲んだら乗るな。飲むなら乗るな」と言われているが、飲んでしまうと自分の思考力が落ち、自分の能力を判断できなくなる。人とはそんな愚かな動物である。であるから、規則を厳しくしようとするが、それでも事件は発生する。その事故の可能性を少しでも減らすために、自動車の事故が起きないための能力を上げて行くしかないのであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74319470W4A710C1MM8000/