STAP細胞の存否確認は「調査委のミッション(任務)を超える」そ

(日経「春秋」2014/4/2付) あの華やかな第1幕はまだ2カ月前のことだ。弱酸性の刺激を与えるだけで万能細胞ができるという画期的な発見である。第2幕は文字どおりの暗転である。舞台は荒涼として、次から次へと疑惑が噴き出す。ただし肝心のSTAP細胞が存在するのかどうかは謎のまま――となれば、きのうの理研の「最終報告」は解決編の第3幕のはずだと思って誰もが注目しただろう。でも、STAP細胞の存否確認は「調査委のミッション(任務)を超える」そうだ。渦中の人は沈黙を破って「とても承服できかねる」というコメントを出した。混沌たる第4幕が始まる気配だが、いっそ彼女も含め、今回の問題にかかわったみんなが舞台に上がって洗いざらい打ち明けてくれないだろうか。
(JN) 権威を持つ者は、保守的になる。ひとたび立場が悪くなると、身を守るのに必死で、若い学者はどうなっても良いのか、と思いたくなるような引き際の良さである。科学は、真実を確認することにあるのであり、引下げ云々より当該者不在での演出などしないで、さっさと次の態勢を取り、この万能細胞の創造が正しいのか、正しくないのかを明らかにして、誤りであれば、誤りであると示せばよいのではないか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69253410S4A400C1MM8000/