3Dプリンターは奥の深い問題を私たちに投げかけている

(日経「春秋」2014/3/24付) 3D(3次元)プリンターが身近になってきた。創作意欲をかきたてられる人は多いはずだ。個人がものづくりを担う時代がやってきた。印刷博物館の企画展「3Dプリンティングの世界にようこそ!」は、この新技術の可能性を様々な展示で伝えている。だが気になることもある。ボランティアで作ったもので、人がけがをした場合だ。消費者庁によれば今の製造物責任制度では、商品として販売し、一定以上の生産量があるものでないと責任を問えない。善意でモノを作っても使い手が不安に思うかもしれない。面白いものを作りたいという意欲に誰もブレーキをかけたくはないだろう。しかしルールを明確にした方が使い手が安心でき、個人によるものづくりが広がりやすくなるとも考えられる。3Dプリンターは奥の深い問題を私たちに投げかけている。
(JN) 3Dプリンターに夢が広がる。使用者が広がればトラブルも広がる。悩みも広がる。それを乗り越えれば、更に技術が普及し、コストは下がり、一般化して行く。そのために、様々な分野の協力が必要だ。特に、このプリンターから何が生まれてくのか、それが未知数であり、その生まれてくることで、どんな良いことがあり、また、どんな恐ろしいことが発生するのか。人の創造力は魅力的であり、それを恐れてはならないであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO68738520U4A320C1MM8000/