「箱入り息子の恋」では、親の代理見合いが物語を起動する

(日経「春秋」2013/7/15付) 35歳の一人息子。公務員で無遅刻無欠勤の記録を更新中。机の上は常に整頓され、仕事はノーミス。昼食は自宅で母親の手料理。酒は飲まずたばこは吸わない。そして彼女いない歴35年。こんな男の日常で始まる映画「箱入り息子の恋」では、親の代理見合いが物語を起動する。これを機に主人公は生まれて初めての恋に落ちる。草食系を脱するどころか、暴走するような勢いで恋を追うことになる。本人たちが知り合うより前に、まず親たちが知り合う。敗戦より前の日本なら、さほど珍しくなかったらしい。これは戦後日本の健全なところだろう。それでも親が子を思う気持ちは昔と大して変わっていないのではないか。代理見合いが広がってきたことに、そう感じる。暑い夏は恋の季節。代理見合いでも何でも、出会いは多い方がいい。
(JN) 親が子供のことを何とかしようとするこの気持ちは痛いほどわかる。「箱入り息子の恋」は最終的に子供が恋をするのであろうが、なかなか最近の子供たちは恋をしない。親は一生懸命であるのに、子供たちは冷めている。我が職場において、様々なトラブルが生じるが、親子でのズレは話し合うほど乖離していく。親は適当な方が良いのかもしれない。親は子供に恋しているので、つい子供への気持ちが熱くなってしまうのであろうが、チャンスを作ってもそれ以上はしてはならない。代理はできないが、我々は無責任に若者に、情熱の火を点けて行こう。恋をすれば、いろんなやる気も出て来よう。支離滅裂。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57355960V10C13A7MM8000/