「ウィンブルドン現象」の一語は私製の辞書から削除しよう

(日経「春秋」2013/7/9付) 薬に効能と副作用があるように世の中なべて表と裏がある。6年間、38場所も日本出身力士が優勝できていない大相撲は副作用ばかりが目立つ例だろう。ロンドンの金融街シティの繁栄と英国勢の没落。そんな経済現象をテニスの聖地での英国選手の不振になぞらえ、世が「ウィンブルドン現象」と呼び始めて20年ほどもたとうか。ときに「ウィンブルドン効果」とも称する。アンディ・マリー選手が英国人としては77年ぶりにウィンブルドンの男子シングルスを制した。去年は決勝で敗れたが、今年、スタンドの興奮がコートを走り回るマリー選手の背を押しているのが伝わってきた。地元の大声援にも表裏があって、選手にとってはエンジンでもあるが、往々にしてブレーキにもなる。それを糧にして勝ちきった姿に敬意を表し、「ウィンブルドン現象」の一語は私製の辞書から削除しよう。
(JN) 日本では「ウィンブルドン現象」から「大相撲現象」にバトンタッチであろうか、いやそればかりでなくそのうち「柔道現象」なんてこともあるかもしれない。一歩では寂しいことであるが、それだけそのスポーツが日本以外の人たちにも通じていることになろうか。でもそうなって欲しくない。日本生まれの力士よがんばれ、負けるな。「大相撲効果」は??
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57141650Z00C13A7MM8000/