市になりたがる町が多い

(日経「春秋」2013/3/14付) 時代劇を見ていると村人や町民は出てくるが、市民は登場しない。地名に市が使われ、市民が生まれたのは明治22年(1889年)、この年に東京や大阪、横浜など全国39の地域が市になった。現在、市は800近くに増え、町や村よりも多い。地域が栄え人口が増えた結果なら結構なことだが、データを改ざんしてまで市になろうというあきれた話もある。愛知県東浦町で起きた事件だ。東浦町の元幹部が先月下旬、国勢調査で人口の水増しを指示した疑いで逮捕された。5万人以上という市になる条件を達成しようと、職員が実際には住んでいない人の名前を調査票に書き込んだらしい。市になったからといって、行政サービスが手厚くなる保証などないし、住民からみた利点といえば住所が短くなる程度の話だ。それでも市になりたがる町が多いのは「市長や市議の方が町長や町議よりも格上」と考えている首長や議員が多いからだろう。格や序列にこだわっても地域が良くならなければ何の意味もない。
(JN) 中身より形式、なぜであろうか。町より市、格が上であるように思うのであろうか。自分たち良く見せたいか、否、私がこの町を市にしたのだと言いたいのであろうか。そうしたいなら、街を活発化し、人口を増やすことを考えなかったのか。こういったこと、自分でもやっているかもしれない。気をつけましょう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52788420U3A310C1MM8000/