女性起業家が子連れで働ける共同オフィスがほしい

(日経「春秋」2013/3/3付) 未練の残る彼氏の部屋に、別れ際、自分のピアスを片方、こっそり置いていく。新しい彼女がそれを見つける場面を想像しながら……。菊永英里さん(31)が恋人からもらったピアスをなくし、大げんかしたのは24歳の時。「私のせいじゃない。留め具が悪い」。調べると、ピアス紛失に悩む友人は多かった。外れにくい留め具を開発すれば、きっと皆が喜ぶだろう。そう思い、図面を引き始めた。試作や量産をしてくれる工場を苦労して探し諏訪地方で時計部品などを作る会社が引き受けてくれた。特殊な内部構造で特許も取得した。こうして5年前に発売した新型留め具を、いま10万人の女性が愛用中。次は世界市場に出る。昨年出産した菊永さんが思うのは「女性起業家が子連れで働ける共同オフィスがほしい」。すでに友人と開設したという。
(JN) 宝物はまだまだ沢山埋もれているのであろうが、悲しんだり文句を言っている者にはそれが見えないし、それをどうするかの判断と決断もつかない。主体性を持たせ、前へ進む力を学校では教えられないのか。それは日々の中のお互いの行動の中に埋もれているのであろう。停滞化する日本の男社会、それを救うのはやはりお母さんたちか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO52360980T00C13A3MM8000/