普通のことをしっかりやり、太陽を給油し、大層な1年に

(日経「春秋」2013/1/28付) 1年あれば大層なことができる、そういう気になる。背はスポーツ選手の姿が押してくれる。去年の惨敗から1年で箱根を制した日体大の駅伝が代表格か。あらためて気づかされたのは、食事を抜かないとか、6時の朝練習の前にきちんと草むしりをするとか、普通の決まりごとをこなす大切さである。大学選手権でどこもなし得なかった4連覇を果たした帝京大ラグビー部も、生活態度や礼儀正しさが際立っていると聞いた。学校の運動部というと体罰ばかりが昨今話題だが、体罰で生活習慣や礼儀は身につかない。作家・多和田葉子さんの随想によれば、ドイツでは「からだに太陽を給油する」というらしい。縮んだ背筋がすっと伸びそうな言い回し、かの地は夏も使うようだが、日本では春まで一踏ん張りの時期に似合う。普通のことをしっかりやり、太陽を給油し、大層な1年に――。まだ遅くない。
(JN) 能力者は当たり前のことを当たり前に行える。凡人も、これを見習いたい。毎日やるべきことをやり、それが目的とならず、その毎日の当たり前のことが何のためであるのか、常に考えたい。それではまず目標に向かって、何をすべきか、今から具体化しよう。まだ遅くない?
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO51057700Y3A120C1MM8000/