未来へつなぐ企業社会であってほしい。

(日経「春秋」2013/1/10付) 伊勢神宮は20年に一度、社殿を新しく建て替えてご神体を移す。飛鳥時代持統天皇の世から1300年以上続く決まり事である。今年はその「式年遷宮」の年。建物だけでなく装束や宝物などの道具も新調するそうだ。20年の歳月がたてば、10代だった見習いの職人は30代の棟梁(とうりょう)になる。30代の棟梁は50代の後見人になっている。習った技を若者に教え、育った人材を背中から見守る。大きな仕事に生涯で二度たずさわれば、技術は綿々と引き継がれていくだろう。自分の会社に当てはめて考えるとどうだろう。20歳の差がある世代と一緒に汗をかき、伝え、学ぶ機会はあるだろうか。気がつけば年配者ばかりの職場では、築いてきた価値の伝承は途切れてしまう。未来へつなぐ企業社会であってほしい。
(JN) 歴史的なこの素晴らしい伝統を我々は自分たちの生活に活かしているのであろうか。笹子トンネルの関わる会社では、業務の引き継ぎをどうしていたのであろうか。20年ごとにでも手入れがきちんとされていれば、あの惨事はなかったのではないか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50453170Q3A110C1MM8000/