中小企業への就職を促そう

(日経「社説」2012/12/31付) 景気は不透明なままで新卒者の就職は依然として厳しい。効果的な就職活動の手助けが要る。求人数の多い中小企業と学生の橋渡しに力を入れるべきだ。中小企業は独自技術で付加価値の高い製品を開発したり、地域に密着して顧客を広げたりと、元気のいい企業も少なくない。国は各都道府県に「新卒応援ハローワーク」を置いて地元企業などの求人を開拓しているが、民のノウハウを生かせば採用意欲がある企業をきめ細かく拾える。国が手がける職業紹介を民間に開放する必要がある。採用後も、一定期間内なら本人の適性をみて企業が雇用契約を解除できるようにすれば、雇う側は採用を増やしやすくなるだろう。日本ではいったん人を雇うと解雇が難しい。新卒者も内定後は雇用契約が成立しているとされ、解雇が厳しく制限されている。人件費の余裕があまりない中小企業では、こうした解雇規制が採用に消極的になる一因だ。入社後の一定期間は解雇規制の対象外とすることを検討してはどうか。ベンチャー企業リスクマネーが流れ込みやすくし、新しい企業を育てることも、若者の雇用の受け皿拡大に欠かせない。多面的な就活支援を新政権には求めたい。
(JN) 中小企業は4月の採用に向けての対応が難しいのではないか。日本は労働市場が開放的でない。大企業のための一斉採用制度である。国にその制度整備を頼るより、大学と中小企業が独自に考えていくべきではないか。唯前年度に従っていくのではなく、新たな試みをしてみよう。そのためには大学や企業が一緒になって構造を見直していきましょう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50199680R31C12A2PE8000/