方向性見えぬ海江田民主党

(日経「社説」2012/12/26付) 民主党野田佳彦首相の後継代表に海江田万里経済産業相を選出した。失った国民の信頼を取り戻せるのか。本人の弁の通り「解党的な出直し」をするしかない。海江田民主党の立ち上がりは不安を感じさせる。「与党が何を主張してくるのかの出方もみながら決めていく」。衆院選の大敗の結果、所属国会議員は衆院57人、参院88人といういびつな構成になった。衆院は「決める政治」を目指した野田首相に近い議員が多いが、参院の大勢は衆院選先送りを望んだ輿石東前幹事長の影響下にある。先送り政治を反省するどころか、何でも反対、とにかく抵抗だったかつての民主党に先祖返りしそうな気配が漂っている。党内には、参院選も負け戦かもしれないし、新代表はつなぎでよいとの声もあった。若手の細野豪志氏への根強い待望論もあり、海江田氏の足元は盤石ではない。参院選の情勢を語る中で海江田氏は「議席の減り方を少なくする」と発言した。トップが今から予防線をはるような態度では党員も胸をはって歩けまい。
(JN) 日本国民はすぐに忘れてしまう。だからと言って、この苦しかったこの時期の民主党の行動はそう直ぐには忘れまい。寄せ集めで意見は合わない、なかなか決まらない、党は何を大事にしているかわからない、なんにでもいい顔をしようとする。選挙は下手。これではこの先は暗い。せっかく少なくなった議員、この者たちで芯をしっかりさせてもらいたい。さて、自民党みたいに3年前とは違うでというように復活できるか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50009050W2A221C1EA1000/