老いるインフラをどうするのか

(日経「春秋」2012/12/19付) ベテラン運転手でもひやりとした経験が一度ならずあるのではないか。東京の大動脈、首都高速道路である。ちょうど50年前のきょう19日、首都高の開通を翌日に控えて記念式典が開かれた。当日の本紙の記事をみると「夢のハイウエー」という言葉が躍る一方で、東京の大気汚染のひどさを伝えている。車100台が連なるパレードでは昼なのに照明が点灯された。スモッグのせいで都心の視界は500メートルしかなかったそうだ。都心の空気はその後、随分きれいになり、渋滞も減ったけれど、半世紀たった道路の老朽化は覆い隠せなくなっている。首都高では今週末から羽田トンネルの天井板の撤去工事が始まる。中央自動車道・笹子トンネル事故を受けた緊急工事だ。近いうちに大規模な補修や更新も必要になるのだろう。老いるインフラをどうするのか。我々に突き付けられた新たな問題に違いない。
(JN) 我々、地震国で木造生活を主として来た民族は、建造物は火事になったり、地震で壊れたりしたので、メンテナンスなっか考えなくてもよかった。しかし、戦後、鉄筋コンクリートの造りが多くなり、それは木造と異なり永遠なるものと勘違いしたのか、公共物にメンテナンスを考えていないのか。造ったきりなのか。しかも、夢のハイウェーは狭い。先を考えていない。未来の人たちに迷惑をかけない計画をしていこう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49744120Z11C12A2MM8000/