オバマ氏の涙では足りぬ

(日経「春秋」2012/12/20付) 不気味な駆け込み需要があったものだ。銃乱射で犯人が使った型の自動小銃が、事件のあとよく売れているという。この国には、生命に関わる問題なのに他の国と相いれない価値観がある。「規律ある民兵は自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」。米憲法のこの条文が、開拓期から200年以上も市民が銃を持つ権利を守ってきた。しかし、銃保有は思想信条の自由、表現の自由と同じほど大切だという理屈を、世界は共有できない。仏ルモンド紙は社説に「オバマ氏の涙では足りぬ」と見出しをつけた。大統領は事件後には「意味のある行動が必要だ」と訴えた。今こそ繰り返しを断つという大統領の本気を、銃砲店に駆け込む市民は嗅ぎ取ったか。
(JN) アメリカ大陸はヨーロッパが銃で奪い取った大陸である。銃と力の正義から脱却するには時間がかかるであろう。しかし、銃は管理されるべきであろう。それに一般市民が自分を守るために、銃を使うことができるのか。素人は相手が銃を持っていなければ、相手を倒す確率があるであろうが、敵はそうではないであろう。我が国の治安を見習い、優秀な市民と警察官を育てるべきであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49801040Q2A221C1MM8000/