自らの失職を万歳で歓迎

(日経「春秋」2012/11/17付) 国会議員は、もうあてにしないことにしたよ――。東日本大震災で工場が全壊したある食品製造会社のトップから、そんな決別宣言を聞いたのは1年前の秋だった。助けてくれたライバル会社があった。再建資金を出資してくれる都会の若者もいた。やがて議員たちが視察に訪れ始める。時間を割いて会うが、腰を据え耳を傾ける感じではない。熱心だったのは写真撮影だきのう野田首相衆院を解散した。3年と3カ月余り。今回も、やはり本来の任期を終えることなく、現職の議員と、そのいすを目指す方々による大がかりなシューカツがまた始まった。自らの失職を万歳で歓迎し、合戦だ勝負だと例によって猛々(たけだけ)しい言葉が飛び交う。被災地視察の写真も、なにがしかの効力を発揮するのだろうか。雇うに値する人は誰か。仕事をする人か、仕事をしているふりがうまい人か。雇い主として、人を見る目の試される時が来た。
(JN) 議員になろうとする方々、誰しも、住みやすい社会を目指すため、その職に就かねばと努力し、議員の職に就ける人がいるが、その人が能力があるか否か。投票する人もその人たちに託していたが、なかなか実行はできない。なかなか実行できない故、議員としての身分が危うくなり、目的を忘れた保身活動に動いてしまう。最近の我々は短期的に物事を見過ぎるので、直ぐに首を挿げ替えようとしてしまう。立候補者も、投票する側を固定的にあてにできない。だれもがあてにできないのか。それでも万歳!
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO48527850X11C12A1MM8000/