今日は「ガンバレの日」

  • (日経/春秋 2012/8/11付) ロンドン五輪もいよいよ終盤。「全員で戦った結果」と口々に話す選手たちは、大舞台で重圧を力に変えるすべを身につけたのだろう。今日は「ガンバレの日」。1936年のこの日、ベルリン五輪でNHKアナウンサーが「前畑がんばれ」と連呼したことにちなんでいる。日本人女性初の金メダルに輝いた前畑秀子さんに対する期待は相当なものだった。「ドイツに向かう船中から身投げしたくなった」と後に語っている。過度な国民の期待ほど、やっかいなものはない。ロンドン五輪をテレビ観戦していても、日本人とは違ってニコリともしない一部の外国選手の表情の裏に国家という存在を感じるのは気のせいか。円谷さんと一緒に半世紀前の東京五輪に出場したのが君原健二さんは「私の履歴書」で「走ることでランナーという作品をつくろうという思いだった」と書いている。練習場はアトリエ、大会は展覧会である。自分を冷静に見つめて精進することはアスリートだけに必要な資質ではあるまい。
  • (JN)何事も応援する方は勝手である。勝手に期待し応援する。応援を受けている方は自分勝手ではできない。でも、応援を自分勝手に解釈することはできるであろう。「ガンバレ」、負けてもそれはこの世界で起きた一つの結果である。自分が動けなくなったら、自分への期待を変えてほしい。他の方法で生きることに頑張ってほしい。勝手な解釈であるが。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44843260R10C12A8MM8000/