「来たときよりも美しく」

  • (日経/春秋 2012/8/9付) 「来たときよりも美しく」。観光地の看板などでお目にかかる。初めてワールドカップに出場した1998年フランス大会でのこと。熱心な応援の後で、チームのシャツと同じ青色のポリ袋にスタンドのゴミを集める日本人サポーターの姿が、驚きと称賛をもって海外メディアに取り上げられた。当時の報道に、「これこそフェアプレー」「入場前より試合後の方がきれい」などとある。「ゴミ拾いは日本のお家芸です」。各地の大学生が参加してゴミを拾いながらたすきをつなぐ、もう一つの箱根駅伝を毎年開いてきた。五輪閉幕の翌日から、日本の仲間たちとゴミ拾い駅伝で五輪会場をめぐる予定だ。五輪種目にはならないだろうが、若い人たちのユニークなアイデアと行動力に金メダルを差し上げたい。
  • (JN)一方ではこのようにゴミ拾いがなされるのであるが、その前に、ゴミをポイする人がいる。自分たちで予め袋を用意して始末する習慣を身につけることが大切である。今でも、たばこの吸い殻が道で目につく。人が見ていないと、いや見ていてもやり人がいる。それを戒める街のうるさ型も居なくなってしまった。世の中物騒で、無闇に注意できない社会も変えていかねばならない。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44742030Z00C12A8MM8000/