地名には人々が残した教訓が隠されている

  • (日経/春秋 2012/7/15付) 東北地方の沿岸部には女川や小名浜のように「おな」がついている地名が点在している。高く打ち寄せる波である「男波」が語源なのだそうだ。地名にはその土地の成り立ちやいにしえの人々が残した教訓が隠されている。そんな地名の多くが1962年の住居表示法の施行をきっかけに消えた。当時の町名を道路で囲まれた地区ごとに統廃合し、丁目や番地を使う方式に改めた。それから半世紀。地域の歴史を学んでまちづくりに生かそうと各地で古い地名を復活させる運動が広がっている。町名を変えれば表札や名刺も作り直すから手間なのも事実だ。全国で初めて旧町名を復活させた金沢市主計(かずえ)町は今も料亭や茶屋が並ぶ。歴史や名前にふさわしい街なのかどうかも、問われることになる。

=>(JN)むかしの地名には意味が含まれていたので、その昔の人々はそこでどのように生活できるかを考えることができたのであろう。それが建築技術が進み、私たちはどこにでも安全に住めると思っていた。しかし、天の力は強く、大雨が降れば犠牲者を出しているのが現実である。その地名の由来を十分に認識したい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43782050V10C12A7MM8000/