劇場捜査の大団円

  • (日経/春秋 2012/6/16付)青酸入りの菓子をばらまく。「かい人21面相」名の犯行声明を次々と送りつける。1984年に起きたグリコ・森永事件。評論家の赤塚行雄さんは、劇場犯罪と呼んだ。犯人の側ではなく、警察が観客である国民を意識し、公開で捜査を進めれば劇場型の捜査になる。それを描いた小説が雫井脩介さんの「犯人に告ぐ」である。事件捜査に行き詰まった県警が、犯人への呼びかけを始め、やがて犯人から手紙が届く。オウム真理教事件の手配犯、高橋克也容疑者が逮捕されたのも、劇場捜査の成果であろうか。1700件以上も情報が寄せられた劇場捜査の威力に驚きつつも、刑事魂をどう継承し、高めていくのか気になるところだ。劇場捜査の大団円に、警察幹部が考えるべきことは多いのではないか。

=>(JN)警察は創造的役者がいなくなった。犯人が自主してきても追い返すような役を果たせないのであるから、劇場操作で素人の力をお借りしなければならないのであろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO42672340W2A610C1MM8000/