つばめよ高い空から教えてよ

  • (日経/春秋)佐渡島のトキのひなが5羽に増えたそうだ。なにしろ国内の野生では36年ぶりの赤ちゃんだから話題にはこと欠かない。大人気のトキに比べると、身の回りの鳥たちはどうしても忘れられがちになる。初夏の風を切るあの伊達(だて)姿(すがた)をあまり見なくなった。日本人の暮らしになじんだ鳥なのに、近年の減少は著しいようだ。里山の消滅や農地の荒廃など、背景にはトキの絶滅と相通じる要因があろう。つばめよ高い空から教えてよ……と中島みゆきさんの「地上の星」。「大工町寺町米町仏町老母買ふ町あらずやつばめよ」なる寺山修司の歌もある。おーいツバメ、どうしたら住みやすくなる? こんど出会ったら、問うてみたい。(12・5・11)=>鳥だけでない、身近から生き物たちが消えていく。蝶々、蜻蛉、蛙、蛇、蜘蛛、飛蝗・・・・。我々の生活する環境は良くなっているのであろうか。彼らが住み難いところは人間にも住み難いのではないか。気象が厳しくなったのも、何かここに原因はないのだろうか。

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E3E0EAE0E2E5E2E3E3E2E7E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D