受刑者作品展 米住宅ローン 教科書検定

■服役中の受刑者が刑務所内の作業所で作った作品を展示、即売する「八王子矯正展」が6日、八王子市子安町の八王子医療刑務所で開かれた。矯正展は同刑務所と多摩少年院、八王子少年鑑別所の共催で、受刑者や非行少年の社会復帰に向けた活動を多くの市民に知ってもらうのが目的だ。(読売)
■米住宅ローン延滞率、6・99%で過去最悪、米抵当銀行協会は5日、9月末時点の住宅ローンの延滞率(季節調整済み)を発表した。(読売)
教科書検定 圧力の排除が透明性の前提だ(読売)
 教科書の検定は、外部の圧力や干渉を排除することが何より重要だ。その作業の透明化は必要だが、あくまでこうした点に十分に配慮した仕組みであるべきだ。文部科学相の諮問機関、教科用図書検定調査審議会の作業部会が、検定のあり方を改善する案をまとめた。
 改善案では、検定後、実質的な審議が行われた部会や小委員会の議事概要、検定意見書の原案、各委員の所属部会や小委員会などを公開する。また、意見書原案を作る文科省の教科書調査官の氏名や職歴も明らかにする。
 これまで部会や小委員会では、議事概要自体が作られていなかった。また、検定後、検定意見書は公表されるが、原案は対象になっていなかった。今回の改善案作りは、昨年、高校日本史の教科書検定沖縄戦の集団自決をめぐり、「審議の経過が不透明だ」などと批判されたのを受けたものだ。
 改善案が、検定の透明性に配慮する一方、審議の非公開を維持し、記録の公開も検定後としてバランスを取ったのは、妥当な判断だ。冷静で自由な議論を交わすには、静かな環境が確保されていなければならないからだ。
 教科書検定をめぐっては、過去にも国内外の不当な干渉にさらされ、そうした環境が保たれているとは言えない例があった。
 「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した中学歴史教科書をめぐる騒動も、その一つだ。2001年春に検定結果が出る半年も前から、国内の一部や中国、韓国政府の“圧力”があった。
 今年改定された中学校社会科の学習指導要領の解説書には、竹島が日本の領土だと教えるよう、初めて盛り込まれた。韓国が抗議し、駐日大使が一時帰国する騒ぎになった解説書だ。
 その解説書に沿った教科書の検定は10年度に実施されるが、仮に検定中に経過が明らかになれば、混乱が予想される。学術的な見地から適切な記述かどうかを議論する環境は、到底保てまい。
 検定審は、同じ文科相の諮問機関でも、中央教育審議会などとは性格が大きく異なる。中教審は行政施策のあり方などを議論するが、検定審は、教科書会社が申請した本を審査し、合否を決定するという行政処分を下す。教科書会社にとって不利益な不合格決定を出すこともある。公開のあり方におのずと違いがあるのは、当然だろう。