『#高度な警戒態勢に』

『#高度な警戒態勢に』<2022年6月3日(金)>
 ロシアの現代の皇帝の発信する言葉に『春秋(220531)』は思う。太古の生物が水爆実験の放射能で巨大化し、日本を襲う。武田泰淳は、この架空の生物を題材に60年あまり前に短編を書いた。タイトルは「『ゴジラ』の来る夜」▼いつどこにゴジラが上陸するのか。他国に現れてほしいと各国の首脳が願う。そして東京をゴジラが襲い、「何かの光線」で町を焼き滅ぼす。それが何を意味するのか▼核を暗喩で表す文学とは違い、21世紀の強権者の言動はあまりにもあからさまだ。核戦力の運用部隊に「高度な警戒態勢に入る」よう命じた▼武田の思想の根底には、実体験にもとづく無常観があるという。戦争の悲惨と敗戦を目撃した彼は、滅亡について思いを沈め、これからの世界は「目にもとまらぬ全的消滅を行い得るであろう」と記した。悲観論が世界を覆うのをいかに防ぎ、国際秩序を立て直すか。勇ましく前のめりになるのでなく、理性が導く行動で。
 (私たちは)ウクライナへの支援を選び、物資を送っている。ウクライナの国民はこの侵攻にどう思っているのか。まさに、理性にないゴジラを相手にしてるようである。いつ終わるのか。ゴジラを倒すしかないのか。ものよりも早く平和が欲しい。
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