『この子、凡ならず』

『この子、凡ならず』<2017年6月22日(木)>
 今日は永田町の愚かな話より、将棋が話題だろうか。『春秋』は「ひふみん」の引退を述べる。「加藤一二三・九段(77)が歴代最多の1180敗目を喫し、おととい現役を引退した。50メートルを6.8秒で走る藤井聡太四段(14)顔負けの鮮やかな逃走劇だった。『将棋は戦いであると同時に人に感動を与える芸術』という自身の言葉にたがわぬ最終戦だった」と。『余録』は藤井聡太四段の連勝記録について述べる。「『思ってもみない幸運です』。落ち着いた物腰で語られた30年ぶりの28連勝だった。将棋の宇宙は今の中学生をあのように鍛えるのだろうか。その目はすでに当面の連勝のかなたの高みを見つめていよう」と。『筆洗』は「トップ棋士たちが人工知能に勝てない時代となった」が、この藤井四段に期待する。「『人間では思いつかない手を指すソフト』との対局で、既成観念にとらわれぬ一手を追い求めているそうだ。藤井四段は連勝記録だけでなく、「六か七」の壁を破ってくれるだろう」と。
 (JN) 加藤九段と藤井四段、どっちが大人であろうかと思うその行動と話しぶりである。とにかく加藤九段は変なおじいちゃんで何を為出かすのか不自然である。中学生とは思えない落ち着きぶりの藤井四段も不自然である。それはさておき、この二人はいずれにしても天才である。この人たちの脳みそはどうなっているのか。最近の将棋や囲碁の世界では、コンピュータが人間を超えてきているが、藤井四段は今一度、人間の力を見せてくれようか。ゲームのプログラムを作る方が言うには、コンピュータのような指し方をするという。それとも、さらにコンピュータがお利口になり人間の行動を理解できるようになったら、また加藤九段の妙な行動が役に立つかもしれない。さて、どうなるか。その時が楽しみである。このような話で永田町の大事なことを忘れそうだが、まあ一時は忘れてみたい。将棋界がにぎやかに栄えることを楽しもう。