『さて藤井四段。どんな勝負師に育ってくれるか』

『さて藤井四段。どんな勝負師に育ってくれるか』<2017年6月28日(水)>
 藤井聡太四段の連勝記録に各紙その喜びと期待を伝える。『筆洗』(170628)はジョー・ディマジオの連続安打記録が56試合で途絶えても、そのあと「失望も気落ちもせず」に16試合連続安打をしている。「新記録は新記録。だが、大棋士への道はその先にある。そんなこと、聡明(そうめい)なる四段は百も承知だろうが」と。『天声人語』(170628)は、「人工知能に振り回されてきたのが最近の将棋界である。コンピューターソフトにプロが敗れ『機械にかなわない』との見方が広がる。14歳の藤井聡太四段は、伝統的な詰将棋で築いた土台に、昨年からは将棋ソフトを使用して研究を重ねてきたという。進化をやめない先端技術と向き合う。技術に圧倒されることなく共存する。若い力の出番であろう」と。『春秋』(170628)は、「将棋の棋士は一種の聖者」。「豚キムチうどんにワンタンメンと昼や夕のメニューも話題となる過熱ぶりである。聖者の実相に触れたいとの思いだろう。振り返れば、酒に溺れた棋士や病で早世した棋士、演歌を大ヒットさせた棋士など人生行路も棋風なみに様々である。それがまたファンを引き付ける。さて藤井四段。どんな勝負師に育ってくれるか」と。
 (JN) 若くして、実力をどんどん伸ばして、価値を積み上げているときは良いが、それがいつまで続くのであろうか。若くして、専門性の特化した後、どのように人生の後半下り坂をバランスよく、転ばずに下っていけるか。凡人が何を心配するかというところだが、どのように落ち着いていけるだろうか。あるいは加藤九段のように永遠に落ち着かず世間を楽しませてくれることもあるかもしれない。日本人は飽きっぽいから来年にはもう忘れられて、安心して将棋に専念できるかもしれない。藤井四段、マスコミに惑わされず、にょきにょきと真っ直ぐに将棋人生を歩んでください。