『今年は「昭和」も91年、100年の節目さえ近い』

『今年は「昭和」も91年、100年の節目さえ近い』
 「作家の関川夏央さんは、昭和での年号を置き換えてみるそうだ。今年は「昭和」も91年、100年の節目さえ近い」。「春秋」(日経/16/4/29)は、昭和の日に前天皇の言葉から想う。「終戦直後に、昭和天皇は皇太子にあてた手紙で敗因を率直に語っている。『精神に重きをおきすぎて 科学を忘れたことである』『軍人がバツコして大局を考へず 進むを知つて 退くことを知らなかつたからです』。その悔恨を共有して築いた戦後という時代の価値を、『100年』に向けてますます高めねばなるまい。」
 私の人生の半分が昭和である。それがこれから徐々に比率が低くなっていく。戦後生まれの者には、昭和は、成長する日本の時代であった。1年前とは違う生活、正に経済成長に沸いていた。経済成長のための時代であった。そして、昭和20年以前を忘れようと、戦争など国家主義など日本にはないと、米軍基地を臨みながら疑うことを止めていった。昭和は、武力そして経済で闘ってきた時代である。平成に入ったが、精神はまだその延長、昭和である。そろそろ平成という意味を考え、この十年ほどで、昭和100年を機に、経済成長神話と決別して国民による新たな文化の時代にしたい。(JN)