お上に任せず、泥だらけで蘇(よみがえ)らせる池

(日経「春秋」2014/2/2付) 井の頭公園で、大きな池から水を抜き、水質浄化などのため池の底を天日に干す「かいぼり」という作業が進む。そのため、ふだんと違う池の姿が見られるのだ。水が消え、残念ながら現れたのはゴミの山。自転車、家電、携帯電話、靴、かばん、飲料容器。この光景を心に焼き付け、ぜひ反面教師にしてほしい。もっとも人々がルールを破って池に持ち込んだのは、モノだけではない。生態系を壊す外来魚もそうだ。外来魚のブラックバス268匹、ブルーギル5292匹などを捕らえた。寒風の中、今も捕獲が続く。水が減れば水温が上がりやすくなるので、魚を死なせないよう「かいぼり」には冬を選んだ。お上に任せず、大人も子供もなく、普通の人々が泥だらけで蘇(よみがえ)らせる池。もうゴミや魚を捨てる人はいまい。
(JN) 自分たちの環境は自分たちで守る。本当は「かいぼり」をして自然環境を守ることのないようにできれば良いのだが、なんとも「かいぼり」作業からあってはならないものが多く出てくるものか。環境教育を大人から子供まで、日本はし直す必要がないだろうか。自分のところでなければ、人が見ていなければ、ごみを平気でそこらに捨てていくようでは困る。喫煙マナーのうように少しでも改善して行くことが必要だ。もう現在の日本では嫌なものを水で流せない。原発は「かいぼり」ができない。私たちの日本を大切にしよう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO66253170S4A200C1MM8000/