「ネット断食」なる試み

(日経「春秋」2013/9/23付) 当時、アパートや下宿の部屋に電話を引いている学生など一人もいなかった――。それでも大して不便は感じなかった。直接相手を訪ねて、不在ならメモを残せばこと足りた……。前触れなく友人と部屋を行き来することはよくあったし、案外うまく出会えたのだ。いまや老人から子どもまでメールを使い、ネットの交流サイト(SNS)も全盛だ。いつでも誰とでもつながりあえる時代ではある。けれど、だからといって恋や友情がうんと深まるようになったわけでもない。むしろスマホ片手に友だちとのつながりばかり意識して、その関係維持に神経をすり減らす若者が少なくない。「ネット断食」なる試みがある。文部科学省も来年度から試行するそうだが、せいぜい1週間ほどの合宿というから効果のほどはどうだろう。タイムマシンがあれば若者を40年の昔まで連れて行き、ほんとうの断食を体験してもらえるのだが。
(JN) 携帯電話はなければないで何とかなるものである。これにより、電気と時間の無駄遣いをしているのかもしれない。今現在、仕事場でのパソコンや移動中の携帯電話やタブレットPCを身近にしているが、活用できているのであろうか。引っ切り無しにメールが来るが、殆ど捨てている。電話は来ていても気づかず、申し訳ないことをしている。持っている価値がないのであはないか。そういう訳だから、こんなおじさんは「ネット断食」しても影響ないが、若い人たちはどうであろうか。まずは固定電話の利用を楽しんでもらっても良いのではないか。それは、彼氏彼女への電話である。我々の時代は、電話するにも、自宅からでは気恥ずかしいので、公衆電話を使って彼女の家へ電話し、出るのがおやじさんであったりする訳で、そのコミュニケーションをどうするか、やってみては如何か。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60070970T20C13A9MM8000/