『科学の在り方に悩むヒーローの決意もまた軽く・・・』

『科学の在り方に悩むヒーローの決意もまた軽く見てはいけない』<2018年5月19日(土)>
 「日本が三つの国に分かれて戦争を始めてしまった時代、若い天才物理学者は衝撃を受ける」。「仮面ライダー」シリーズの最新作を『筆洗』(180519)は紹介する。「兵器に使われているのが、彼の開発した技術だった・・・。ライダーに変身する天才物理学者は悩み、科学の役割は、『過ちを繰り返さないため』にあると決意する」。現実では「京大は先日、平和を脅かす軍事研究をしない基本方針を明らかにしている。・・・一月に発表された調査によると、男の子のなりたい職業一位は『学者・博士』だそうだ。特撮のヒーローが科学と軍事の問題に悩んでも不思議でない時代ということか」。
 (JN) 科学と技術を発展させるその原動力はなんであろうか。それは生活のための生産・流通活動を向上させるためであり、またその生活と生産・流通活動を守るためである。そして、自分たちの生活圏を拡大するために、科学と技術が他者を破壊してきた。それは今も変わりない。正義は我にあるので、他者を破壊するのである。今までは、その戦いに生身の人間が主体となっていたが、これに代わってロボットがその中心となると、人の心はどこへ行ってしまうのか。絶え間ない破壊行為の連続となり、終わりのないものとなるのか。そこには人影はもうないのか。ライダーの出番もない。