『大国の意向にひるまない姿勢をIOCは古代オリンピックに・・・』

『大国の意向にひるまない姿勢をIOCは古代オリンピックに見習っては』

 ロシアのドーピング問題、IOCの腰砕けに対して、「春秋」(日経/16/7/26)は、古代オリンピックの姿勢を見習えと言う。「古代オリンピックも不正。大会主催者は罰金を科したが、アテネは受け入れない。そこで神託で決着させることにした。罰金を支払わない限り、アテネ人にはいかなることについても神託を授けないというものだった。やむなくアテネは罰金を払ったという。」また、古代オリンピックは「大会の時期は都市国家間の争いをやめる約束があり、休戦協定に違反して1000人の兵を動かしたスパルタに高額の罰金を科すこともあったという。大国の意向にひるまない姿勢はIOCも見習っていい。」

 近代オリンピックは、政治とカネのためのオリンピックであるのか。そのためにスポーツ選手の健康より、勝つことが優先される。ロシアにはまだ国家優先で、個々人の生命と心身はそのためにあるのか。東ドイツのドーピングの記録を見てその恐ろしさを知らされたが、時代はそれから四半世紀以上経ち、その薬物の恐ろしさはどうなっているのか。なぜ、そこまでして勝たねばならないのか。すっかり古代オリンピックの在り方を忘れ去ってしまった今のオリンピックを少しでも、本来のオリンピックの理念に近づけられないか。裸で競技とまではいかなくとも、質素と平和を掲げて東京オリンピックが開催できることを祈る。そのためにも、ドーピング問題を決着させることが肝心だ。(JN)