『原因不明の中枢神経疾患多発――。いまから60年前の・・・』

『原因不明の中枢神経疾患多発――。いまから60年前のきょう、こんな報告が地元の保健所にあった』
 「それでも水俣病は、まだ終わっていない」と「春秋」(日経/16/5/1)は、水俣病について語る。「国の基準による認定患者は申請者の1割たらず。幅広い救済をめざす特別措置法の枠から外された人が訴訟を起こしてもいる。『もうわしゃくたぶれた。あねさんかんにんしてくだっせ』。厚い壁の前でたたずむ人々の声でもあるだろう。」
 長い長いやり取り、そのために関係者はどれだけ疲弊したことか。なぜにこんなことになっているのか。これは、その当事者たちだけの問題ではない。いつ自分が何かの当事者になる。否、そうではなく、すべての国民が当事者であり、この問題にそれぞれの立場から考えねばならない。私たちは問題に対して簡単に踏み込むことはできないが、考えることはできる。水俣の問題に限らず、このもどかしさに、考えを持ちそれぞれの感情を持ちたい。(JN)