土用とは、新しい環境への準備をする機会なのだろう

(日経「春秋」2014/7/29付) 四季のそれぞれ終わりの18日間を土用という。土用という季節と季節の合間は、時の流れに押し流されず、新しい環境への準備をする機会なのだろう。きょうは土用の丑(うし)の日。この日に滋養のあるものを食べる習慣には、困難に直面しても元気に克服できるようにとの願いがありそうだ。ウリやうどんなど「う」のつくものが食されてきた。ウナギ人気は江戸中期から。売れずに困っている鰻(うなぎ)屋に平賀源内が、「本日丑の日」の貼り紙をするよう助言したのが始まりという。その食文化に暗雲が漂っている。日本を中心としたアジア地域に生息するニホンウナギは絶滅の恐れがあると、世界の科学者らでつくる国際自然保護連合から警鐘を鳴らされている。ウナギの資源保護を、本気で考えなければならない時だろう。英気を養って、環境の変化をしなやかに乗り切る土用の伝統を残すためにも。
(JN) ニホンウナギが絶滅すると、私たちの生活はどうなるのであろうか。ニホンウナギを食べられないことは、我慢すればよいのかもしれないが、日本の自然界からニホンウナギが消えるという事が問題だろう。養殖業者が困ることは別として、いったい自然界のバランスはどう変化して行くのか、それが問題である。我々人類は、数々の種目を絶滅させてきたし、これからもそうなのであろう。それでも、まだ人類は生き残っているが、そのうち絶滅を迎えるのかもしれない。それは多分、自業自得でなるのであろう。こういったある種を絶滅させるという人類の身勝手が何れは自分たちを滅ぼすのであろう。それとも種の生成発展没落は、存在するのもの定めなのであるか。でも、美味しいウナギを食べた。そのためにも、ニホンウナギにも土用を与えることが必要だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74898060Z20C14A7MM8000/