『スイカが元気だったころの夏にはさまざまな匂い・・・』

『スイカが元気だったころの夏にはさまざまな匂いがあって、子供心に残った』<2018年8月1日(水)>
 「1973年に103万トンあったスイカの出荷量は、2015年には30万トン弱まで落ち込んでいる」。『春秋』(180729)は、子供の頃のスイカが想う。「井戸水に浸して昼下がりに家族でむしゃぶりつく。こういう情景もずいぶん遠くなったものだ。・・・スイカが元気だったころの夏にはさまざまな匂いがあって、子供心に残った。横町に夕涼みの人が立ち、商店街はがやがやとにぎわっていた時代だ。いま、そこはすっかり静まりかえっている。少子化や人口減は匂いも消すらしい」。
 (JN) どうすれば、早くスイカを食べられるか。種をどのようにするか。子どものころ、田舎に帰れば、いとこ連中と競争であった。甘いものや冷たいものの少なかった時代には、スイカはうれしい食べ物であった。子供が少なくなり、縁側で競争してスイカを貯める光景が見られなくなってしまった。あのスイカの食べ残しは、カブトムシのえさになり、スイカの香りは夜も続き、カブトムシの籠の中が、知らぬ間にカブトムシが多くなっていることがあった。スイカの香りはなかなか強烈であったのか。半世紀前の話、今の街では、そんな夏をもう取り返すことはできないであろうか。