三が日が過ぎて『有明抄260104』は思う◆向田邦子は「家」というセリフに、わざわざ「ウチ」とふりがなを書き添えたと◆盟友の演出家、久世光彦はこう解説〈「イエ」では、何だかからっぽの建物に帰るようで淋しいのである。「ウチ」には、冬ならたとえ火鉢の小さな炭火でも、暖かそうな赤い火が待っていてくれるような感じがする〉◆久しぶりに「ウチ」で羽を伸ばした帰省客も家路についたころか◆三が日にぎわった「ウチ」も、普段通りの静かな「イエ」に戻るのは早い◆中島みゆき「帰省」、都会の暮らしは、誰かを押しのけないと電車にも乗れない。♪けれど年に2回 8月と1月/人ははにかんで道を譲る 故郷からの帰り/束の間 人を信じたら/もう半年がんばれる…。
親も子も孫も東京の我が家族には「ウチ」があったか。子どもたちは、親の「イエ」に行くのか、「ウチ」に帰るのか。自分のその昔は、「ウチ」に帰って、家族集まって親が準備した料理を食べるのが楽しい一時であった。またお出でと言われなくても、子どもを連れてまた行った。でも、その後片づけが大変であったろう。今では家族の集合場所は、「ウチ」ではなく「食事処」だ。楽しい一時が終わり、明日からは「職場」が待っている。
