『#安心しきった表情』

『#安心しきった表情』<2022年9月24日(土)>
 動物愛護週間に『編集日記(220924福島民友)』は思う▼志賀直哉の愛犬「クマ」、当初飼育に乗り気ではなかったのに迷子になったら気が気でなくなり、乗り合いバスの車中から見かけ走行中に飛び降りた▼別の一編「猫」では書庫に入り込んだ子猫を育てる。ネズミを退治してくれるなら、柱などに爪痕をつけられても我慢しようと▼いまのペット事情、放し飼いのまま繁殖を繰り返し飼い主の分からない猫が増えるなどして、殺処分されてしまう事例が一向になくならない▼26日までの動物愛護週間に合わせて、福島市保健所から譲渡された犬や猫の写真展が市内で開かれている。飼い主らが撮影したもので、安心しきった表情でカメラに目を向ける作品が並ぶ▼川端康成は「愛犬家心得」で、一時の気まぐれで飼ったり、もらったりすることを戒め、家族のつもりで接するよう説いた。全ての動物が生を全うできる環境をつくるのは私たちの務めだ。
 (私たちは)何ものであっても、一緒に生きていくということは簡単ではない▼子猫、可愛いよね。でも、病気もするし、年も取る。気分もお互いに変化する。良かったり、悪かったりする▼なかなか理解は難しいが、言葉は通じなくとも、触れあって、互いに大人になって行くのだろうか。
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