『#出世払い方式』

『#出世払い方式』<2022年4月12日(火)>
 新たな奨学金制度を『筆洗(220409)』は思う。大日本育英会は1943年につくられた。当時、大蔵官僚として制度設計に関わったのが大平正芳氏。制度作りでは返済不要の給付とするか、貸与とするかで難航した▼大平氏は給付を柱とする案を作ったが、政府内の抵抗で、貸与制度に▼大平氏も属した自民党の派閥・宏池会で育った岸田文雄首相。先日の会議で、「出世払い方式」の奨学金創設を検討するよう指示した▼奨学金は今も貸与が多い。安定した収入の職に就けず、返済に苦しむ人も▼当初、論理と数字で給付制度を唱えた大平氏を翻意させたのは大蔵省の上司。貧しい家に生まれ、養子に出て学を修めた人が切々と訴えたという。「姓を変えるのはつらい。同じような境遇で進学を断念せざるを得ない人も多かろう。理は理としても、できるだけ多くの青年に恩恵を」▼人を動かすのは、血の通った言葉。新たな奨学金にこだわるのなら、いずれ首相からも聞きたいものだ。
 (私たちは)他人思う心を大切にしたい。若者に学ぶ機会をつくる。奨学金への恩恵は次の時代につなげていく。但し、恩恵への贈与はその能力と思いでよい。稼いだ額の一部を思ったときに基金へ寄付する。出世しなくとも、思ったら寄付する。世知辛い日本、少しは分ち合い日本を取り戻そう。「ちむどんどん」を見ながらそう思った。
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