『青山学院大は児童養護施設出身者に限定した推薦入試・・・』

青山学院大児童養護施設出身者に限定した推薦入試枠を今年度から設けた』<2018年12月23日(日)>
 青山学院大学の新たな入試制度について、『余録』(181223)はその紹介と、児童養護施設の歴史を振り返る。「合格すると学費が4年間無料になり、月10万円の奨学金が給付される」という制度である。歴史上、日本での初の孤児院を作ったのが、道鏡スキャンダルの際に「神託が偽りだと証明した和気清麻呂」の姉の広虫であるという。「現在、児童養護施設は全国に600以上あり、3万人を超える子どもが暮らす。最近は親から虐待された子が多い。プライバシーのない集団生活、職員による体罰、子ども同士の暴力など課題は山積している。・・・広虫は孤児を自らの戸籍に組み入れた人でもあった。日本初の養子縁組制度だ。こちらの方は1200年たった今もなかなか増えない。古代に生きた慈愛の人を見ならうべきであろう」。
 (JN) 日本は教育の機会均等を謳いながら、その考えから執行までまだ行き渡っていない。親の地位や資産の差は子供たちの成長に大きく影響する。その親がいないとなれば、生活基盤は私たちの社会全体で支援していかねばならない。自分たちの生活の中で、無理のない範囲でできることがあろう。ボランティア活動や寄付活動があろう。職場でも、できることがあろう。「愛と奉仕の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を進んで果たす人間形成を目的とする」青山学院は、その方針の一つとして、この入試を実現した。それぞれの個人がそれぞれの立場からできることがあるはずである。この世に生まれてきたことへの感謝の気持ちとして、私たちは情けを忘れず、私利私欲のみに生きることのないようにしたい。