『米中国関係は新冷戦と呼ばれるほど深刻さを見せている』

『米中国関係は新冷戦と呼ばれるほど深刻さを見せている』<2018年12月2日(日)>
 ジョージ・H・W・ブッシュ氏が亡くなった。『筆洗』(181202)は、マルタ会談を想い起す。1989年12月、バレッタ港に停泊する客船の中で会談は行われた。マルタの海は荒れ会談は『船酔い会談』と。「マルタ会談の際、ゴルバチョフ氏からプレゼントをもらった。・・・米軍基地の位置が記された地図だった。ソ連諜報機関が作製したもので米側から見てもかなり正確にできていたそうだ。ゴルバチョフ氏が贈ったのは冷戦終結ならば、もう必要ないという意味か。ブッシュ氏が大切にしていた理由も分かる。・・・二十九年後。残念ながら世界はなお対立の渦中にある。・・・船はマルタからどこへ向かえばよいのか。海は大荒れのままである」。
 (JN) 1989年から30年が経とうとする。あれから私は、私たちはどう変わったろうか。齢を重ねただけなのだろうか。敵国の基地の地図は着々と更新されていようか。米国経済を中心とした膨大な商品のなかで、個人、集団および国家等の間で、闘争が繰り返されている。主役脇役、立場を変えながら、平和な時を造らず、好況、不況を繰り返しながら、弱い人々の生活生命を危機に曝す。政治は、背後に軍事力を置きながら、経済戦争を続けている。これは誰のためなのか。私たちの大小様々な欲望が政治の世界を荒らしている。世界は大荒れが続くが、パパブッシュは死し静かな時を迎えた。生きている私たちも、死を待たねば静かなる時を得られないのであろうか。荒波を恐れず船出し、未知の世界に向かうしかないのか。